絶滅の危機
和風といえば筆にトドメを刺す。昔は皆筆で書いた。パソコンの普及で、プロしか使えなかった活字が一般に開放された。生まれて初めてワープロを打ったのは20年前になる。今では粗い、その打ち出された文字を見て感動したのがついこの間のようだ。
筆は長い間年賀状の主役だった。その座をプリントごっこやワープロ専用機に明け渡し、そのワープロもまたパソコンに取って変わられ絶滅した。栄枯盛衰、まるで戦国時代だ。そして再び筆に脚光があたることになったが、それは本物の和ではなくどこか遠く懐かしい香りのする和である。それは洋で作られた偽物の和だ。本物の和は依然として絶滅の危機にある。
和を以て遠としと茄子ときゅうり。そうのたまった一万円札は、天は人の上に人を作らずと言った一万円札によって駆逐され既に絶滅してしまった…。
代役たる福沢諭吉に私は断固としてこう問いただしたい。
俺の財布の中味が絶滅の危機に瀕している。なんとかしろ〜〜、一万円札は人の上に人をつくるのか〜〜。(それはお前が悪いんだろって?えらいすんません)
|