日本は和を以て貴しと為す、和は輪に通じ円にも通じる。円の国という訳でもないが、この年賀状は見ての通り、円だけで構成されている。意地で丸しか使わなかった。これなら絵心のないあなたにも作れるという作品の見本だ。超お手軽である。

絵柄に対し、タッチという言葉がある。筆致ともいう。絵柄だけで色々なパターンを作り出すのは到底無理があり、絵柄とタッチとを組み合わせて、さらにそこに配色で違うように見せ、仕上げにデザインして盛りつける。こうしないとニワトリだけで埋め尽くすのは至難の業である。しかも時間的な制限もある。

私は天才じゃないのでこうやって姑息な手段を講じても違うパターンを作るしかない。とっても苦しいけれど新しい引出しが出来る度に喜びを感じる瞬間でもある。出した人、受け取った人全てに一瞬の笑みを伝える事が出来れば幸せだ。

（ふゆき）