消える職人技

これは、紙細工のシリーズだ。未でも使った。現実に紙細工で同じように出来る訳ではない。だが、本物の紙細工を見ると職人技の極致で、よくこんな事が出来るものだとつくづく感心する。

こういう絵は殆ど手で描くというより、コンピュータの機能を使って描くようなもので、何故か作ったという実感がない。文字もそうだが今は手で描く事が少なくなっている。良い面も悪い面もある。絵も文字も手が覚えていた。頭で描くというより手が動くという感覚だ。

ところがコンピュータの出現で頭の中で描けば技術がなくても可能になった。ある意味真似て描くから創り出して行くに変化してきている。大事なのは頭の中に浮かぶ事であって、手が動く事ではなくなったのだ。職人的な技術は機械とソフトウェアにとって変わられた。

しかし、反面、機能に頼った絵も多く見かける。それは機械を操っているようでいて、実は操られているかもしれない。丁寧な作りよりも大胆な発想こそが未来を制するのだ…と思いたい。自分にその資格があるのか分からないが、常に新鮮な発想は忘れないようにしたい。

（ふゆき）