年末に向けても、家族の結びつきを起点にした「安心を求める消費」

年賀メーカー各社の年賀全般の好調の原因

年末年始の絆消費としての年賀状

日経流通新聞(10.26)によると、年末に向けても、家族の結びつきを起点にした「安心を求める消費」を軸に回復傾向は続くとあり、セブンでは、クリスマス商材が昨年同日比200%、おせち、ギフトが60%増。ローソンでは、クリスマス用の和のオードブルが80%増、洋が70%増。デパートのおせちも10〜15%増。この数字から同紙は、親族同士のつながりを見直し、再構築に向かわせる要因に、震災の影響がある、と分析する。

年賀状メーカー各社の初期需要推測値
●郵便局nenga01a.gif ●大型スーパーnenga01a.gif
●中堅スーパーnenga01a.gif ●コンビニnenga01a.gif
●デパートnenga01c.gif ●生協 nenga01a.gif
●ホームセンターnenga01a.gif ●通販nenga01b.gif
●専門店nenga01a.gif

年賀メーカー各社の年賀全般の好調の原因も、絆確認のための消費としての年賀状という観点から眺めて見れば、理解しやすい。これまで単に、習慣として交換していた年賀状が、今回の震災を機に絆の確認という新しい使命、役割、目的が生まれ、これまで以上に積極的に交換しようという機運が、国民の間に生まれてきているのではないだろうか。

これは、年賀欠礼状にも現れている。年賀欠礼状も、絆確認のための手段であり、震災で沈みがちな東北で年賀市場全般の活性化を牽引している。

年賀状の宛名ソフト「宛名職人」も、アップグレード版の販売が例年を大幅に上回り、早くから年賀状を用意しようという国民意識が伺われる。早くから用意する→一人一人にちゃんとした年賀状を出す→絆を確認するという流れが、震災の結果生まれたと考えれば、年賀はがき1枚の重みが増し、来年の元旦には、重い重い年賀状の束が、全国各家庭に配達されることとなる。

そう考えると素敵な事ではないでしょうか。