村上さんの年賀状にこだわりをもつ自慢の年賀状の作り方と年賀状へのこだわりをエッセー感覚で。

村上さんの私の年賀状スタイル(私の年賀状コンテスト佳作)

美人画年賀状

 

●村上利久さん 戦前の商業学校卒業後造船会社に就職。昭和19年現役入隊後、昭和21年5月復員。元々絵を描くのが好きだったので印刷関係の仕事に進み独立。写真植字、絵画の道で50年。現役引退後は趣味で絵を描いている。

年賀状を保存してもらう為に

年賀状は、皆さんどう処理しているのだろうか?何年位保存しておくのか?私は5〜6年はファイルして本棚に入れっぱなしだ。いずれは処分しなければならない。

そこで考えた。年賀状を永く保存してもらうにはそれだけの価値のある物でなければならない。毎年干支に因んで十二支を描いていたが、二十五年程前美人画に変更。試しに兄夫婦に送ってみた。正月年始に出かけた折、大変よろこばれた。兄は勿論のこと義姉がとても喜んでくれた。自信のついた翌年から八人兄弟(姉1、兄2、妹3、弟1)全員に美人画の年賀状に切り替えた。大好評。学友、先輩、戦友、仕事仲間と毎年60枚程描いて送った。

友人から娘さんへ

何しろ絵がこまかいので一日二枚位しか描けない。毎年年賀状発売と同時に描き始め何とか間に合わせてきた。同じ絵を送ってはならないので絵に番号を振り、見本帳を作って保存。宛先名簿を作ってAさんには平成22年には何番を送ったから23年度は違った番号の絵を送るように注意している。美人画に変更してから二十年ほどになるだろうか?二人の兄、姉、弟を亡くし今は四人の兄妹のみ。戦友、先輩等も一人、二人と欠けそれでも残された家族が後を継いでいるので今でも毎年四十枚程年賀状を描いている。

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十年程前、一番仲の良かった友人Mを亡くし、これで年賀状のやりとりも終わったなと思っていたら、彼の娘さんから是非年賀状だけは続けて欲しいとの要望で、今度は毎年娘さんと年賀状のやりとりをするようになった。先日久し振りに義理の姉宅へご機嫌伺いに出かけたところ、額に入っている私の年賀状を見せてもらった。六枚ほど入っている額が二、三点壁に飾ってあった。恥ずかしいやら嬉しいやら「ご近所の人達に自慢しているのですよ」と義姉に言われ、すっかり恐縮してしまった。

筆が持てなくなるまで…

今年もまた、年賀状描きのシーズンがきた。これから先、何年続くかわからないが筆が持てなくなるまで描き続け、一人でも多くの人に喜んでもらえたらと思っている。